作品への思い入れ

美しい自然からの贈り物、その色と輝きを永遠のものとしたい。玉虫や珊瑚、貝などをレジンのなかにとじこめる作品を作り始めたのはそうした思いからです。日本特有の自然の美に出会ったことで私は道を決めたのです。

また、日本の伝統工芸や美術品、古くからの歴史遺産のなかに美しい色、優れたデザインや技巧を見たとき、そこにある日本人の心と受け継がれた文化に触れた気がします。私の作風と人生に大きな影響を与えたのはいうまでもありません。

自然物をレジン(人工琥珀)に封入するのは技術的にそうたやすいことではありません。封入するものからの油脂、水分、その他有機性の成分がレジン発泡や白濁を引き起こすからです。ことに玉虫は難しく、同等の技術を持つ方は少ない(2、3人?)と考えています。普段にはほとんど見かけることのなくなったヤマトタマムシを将来にわたっても人々が見られるように永遠のなかにとどめておくのは私の任務のように感じています。

金具など・・・帯留めの金具、ネックレスのチェーンリング、カフ・リンクスの金具、ループタイの紐

象牙・・・アフリカ像のものとインド象のものでは質がまったく違います。当工房の保有する材料の象牙はアフリカ産のもの。アフリカ産は経年しても変色しにくい、汚れ(黒ズミ)がおきにくい優れた特質があります。冷たく光る象牙を柔らかくあたたかい感じの鼈甲と組み合わせるのは私がよく採る方法ですが、このような異なる材料接合技術にも自身があります。

鼈甲・・・安価で加工の自由なプラスチックに取って代わられた感がありますが、ぼんやり透ける色の感じや、磨くと現れる表面のツヤはとても上品で、昔の日本人の櫛やかんざしはたいへん贅沢なものを使っていたのだと関心します。象牙と同じく今後もう入手できない材料ですが良質なストックを保有しています。


お取り扱い上の注意

工業製品であるレジンにも優劣がはっきりとあり、低品質のもの(海外産)は経年変化により黄味を帯びてきたり硬度が落ちてきたり、ひどいものでは表面が柔らかくなって解け始め、ベタベタし始めます。当工房では日本製のレジンを使用しており、このような事例報告は現在ありませんが、長時間強い紫外線にさらす、高温となる場所に放置するなどはレジンの変質を引き起こし、作品を傷めますので避けてください。

 

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